
白い1号機の成形色替えのキットですが,BANDAIの通販限定で,一般の模型店では買えないという代物です。通販の告知があってすぐ完売していて五六式が入手したものは,二次出荷分でした。ま,量産型と違ってノーマルのキットを全塗装してやれば再現できる機体ですがね。
<実機について>
ジオン軍のサイコミュ搭載機動兵器エルメスを小型化するというコンセプトで開発されたネオ・ジオン軍のモビルスーツ。
肩に装備した4枚のバインダーは,それぞれスラスターを持ち,バインダー自体の運動によって複雑な機体の姿勢制御を行うことができる。また,リア・スカートに装備された10基のファンネルは,遠距離攻撃に,腕に装備されたビームガンを兼ねたビームサーベルは,近接戦闘に使用される。これらの機体制御および,火器管制は,全てサイコミュによって行い,適性のあるパイロットであれば,まさに手足のごとく操ることができる。
初号機は,白い機体のハマン・カーン専用機,黒い機体のエルピー・プル専用の2号機以降は,量産先行型のmk-2となり,赤い機体の3号機は,プル・ツー専用機となっている。
なお,これらのプロトタイプの後に量産された機体は,スペックダウンされたもので,低下した戦闘力を補うため,重武装化されている。

<キットについて>
1/144スケールのキットとしては,2代目となります。(初代のキットもうちの倉庫にあります・・・しくしく・・・。)初代を超えるべく,組み立てやすさや塗装のしやすさ,見栄えなどを更に改善したものとなっています。でも,設定のイメージに近いのは,最初に出た1/220スケールのキットかもしれません。(かっこよくするために腿が長くなっています。)
巧みなパーツの構成により外装の塗り分けがほとんどいりません。とは言っても,完全にお任せというわけでなく,いつものホイルシールで細部の塗り分けのかわりとしています。

外装の部品が磨き上げられたようにつるつるです。最近のスケールキットに多い,パーツの表面が,金型の静電加工のままの梨地になっているものを見慣れた目には,新鮮に映りますね。グンゼの1/24スケールの車のキット(カルマンギアとか,ジュリエッタとか・・・)なんかがつるつるでした。

バインダーの裏側もぬかりなし,左右対称で2セットスクラッチするなんて考えたくもないですね。こういうところが工業製品の優位性かと思います。

180個くらいある部品のうち,とりあえず,72個の部品を切り取ってゲートの処理をしました。外装パーツは,(バイクで言うと,カウルですね。)どうしてもゲートの跡が残ります。アンダーゲートにする技術があるのにどうしてそうしないのかさっぱり分かりません。磨き上げるか,クリアーを吹き付けるか,全塗装するか,いずれにしてもペーパーがけは必須です。

左右対称になっている部品が比較的少ないので,半日もあれば,すぐに形になります。ファンネルさえなければ楽勝です。このファンネル,10個もあって,小さい部品なのにゲート跡を3カ所ずつ処理しなければなりません。AFVモデルのキャタピラや転輪よりはましかな・・・。

・ジオンの国章がホイルシールなのは悲しい。どんなに外装を丁寧に仕上げてもアウトです。どこかにデカールがなかったかな・・・。
・スカートの装甲の中は,空っぽです。張り切ってメカとかフレームとかを詰め込みすぎると腿が入らなくなるのでいじりたい人はほどほどに。
・指先は,安全基準を満たすためか,丸まっています。尖らせたいけれど,10本の指先の形を全てそろえて尖らせるのは難しいだろうなぁ・・・。
・色プラで塗装しなくてもほぼ設定と同じ配色の完成品が手に入るというルールに縛られなければ,(デカールを使う,少しは自分で塗装するということにする。つまり,一般のスケールキットのやり方に歩み寄る。)もっと部品点数が減って,多少塗装は面倒だけれど組み立てやすくなり,トータルとして製作時間が短縮できるキットが作れるのではないかと思います。ジオンの国章のホイルシールを見て,ふと,そう思ってしまいました。BANDAIさん,どこまで行っちゃうのかなぁ?
AIRFIXの1/144スケールのガンダムなんてものがあったらどんなキットになるのかな?