<実機について>
ウクライナ系アメリカ人イゴール・シコルスキーの手になる四発大型飛行艇S-42を小型化した双発飛行艇。本来は,15名の乗客を運ぶ民間機であったが,その性能の高さを買われてアメリカ海軍や海兵隊,空軍で使用された。ハワイに展開していた2機は,真珠湾攻撃の際に破壊されず,敵艦の捜索任務などに使われ続けた。
<キットについて>

基本は,SWORDのキット。
写真は,プラスチックの部品の3枚のランナーのうちの1枚です。パネルラインは,細い筋彫りです。写真の中にちらりと見える細長い部品は,折れていたプロペラ。まぁ,これくらいの補修は簡単,簡単・・・涙・・・。
例によって接合部のダボなど位置決めのための凹凸はほとんどありません。押し出しピンの跡もにょきにょき生えています。どうも欧米のモデラー達は,敢えて手間ひまかけて,キットが少しずつ組み上がって行く過程を楽しんでいるようです。
艇体背面のバネルラインを再現するため,艇体の一部が別パーツとなっています,メーカー(SWORD)の良心なのか,それとも,意地なのか・・・。
資料本と組み立て説明書。
カラーページありで塗装図や実機写真がたっぷり載っています。本キットで再現できるマーキングは,7種類。これらはアメリカ海軍の2機のもので,時代によって塗装が変遷して行く様子を再現したものです。
これらの表紙のイラストと箱絵に描かれている機体は同じイラストで,背景のみ差し替えてあります。
付属するエッチングパーツやレジン製の部品など。
乗員と15名の乗客のための座席は,レジン製でやたらと精密に成型しています・・・大人げない・・・。
窓枠の塗装や車輪のホイールを塗り分けるためのマスキングシートもついています。塗装の難易度が下がるのだけれど,本体の組み立ての難易度は高いからなぁ・・・。

四国エアモデラーズミーティングで見た完成品。
本来のSWORD製のキットのデカールは,上の写真のようにアメリカ海兵隊の機体を再現したもの。本キットには,アメリカ海軍の機体(艇体上面銀,下面黒のものと大戦中のブルーグレーやネイビーブルーの迷彩のもの)を再現するデカールが付属しています。
何やらめんどくさそうなキットですが,死ぬまでには完成させたいものです。