
一見,部品が少なそうに見えるけれど,かなり細かく分割されています。

主要部品をとりあえず組み付けてみました。
<実機について>
1931年に初飛行したポーランドの国産戦闘機。
ルーツとなるP.1は,1929年初飛行で全金属製の機体にパイロットに良好な視界を提供するガル翼を装着していた。当時の各国の主力戦闘機は,金属製の機種回りと布張りの構造とが合わさったもので複葉機も多かった。それらの中でP.1は,先進的な機体だったといえるだろう。この機体からP.11c,更にP.50に至るまでエンジンの強化や実用性の向上などの改良を加えていったのだが・・・
ポーランド侵攻時にドイツ軍が装備していた戦闘機は,Bf109の初期型であった。更に改良されたBf109Eに比べ,性能が劣るものの,Bf109は,最大速度が400km/hに満たないP.11cが相手をするには性能差がありすぎる強敵だった。
ドイツ軍のポーランド侵攻後,生き残ったP.11cは,逃れた先の空軍で使われたり,ドイツ軍に摂取されて使われたりと数奇な運命を辿ることとなる。

<キットについて>
五六式が知っている1/72スケールのP.11cのキットといえば,古典的なレベルファイターシリーズのものやエレール製のものぐらいだったのですが、21世紀になってから,AZURやIBGからもリリースされていたのですね。
ARMA HOBBYのキットは,同じポーランドのIBGのキット(PZL 23 カラシュ)と筋彫りの様子などが似ているような気がしましたが,両社の関係はどうなっているのでしょうかね。
部品の分割は多めで,尾翼周りを仮組みしてみたところ,嵌合はゆるめでしたが,接着してしまえば,部品の継ぎ目はぴったりと合ってしまうような感じでした。また,胴体の部品の接合部は,ダボではなく,爪のかみ合わせで位置が合うようになっています。緩いようで非常に精度の高い不思議なキットだと思います。
また,完成したときのシルエットはどうかという点ですが,これは,完成させてみないとよく分かりません。まぁ、地元のメーカーの近作なのですから,疑ってはいけないでしょう。逆に,タミヤやハセガワやファインモールドの最新の零戦が,外国メーカーの零戦に劣っているわけがないでしょ?
カラー指定は,ポーランドのHATAKAというメーカーの塗料(機体別の塗料セットが日本にも輸入されています。)の製品番号とFSナンバーと英語表記となっています。IBGのPZL23のキットの塗色は,HATAKAの他にMrカラーを含む数社の製品番号で指定されているのでこれを互換表とするつもりです。
何にせよ,冷戦が終わって良かった良かった。