
<実機について>
朝鮮戦争において,アメリカ空・海軍は,F-80,F-84,F-9F等のジェット戦闘機を投入し,北朝鮮側のレシプロ戦闘機に対して優位を保っていたが,共産軍側の新型戦闘機MIG-15の登場によってその優位性は崩れ去ってしまう。MIG-15は,後退翼を採用しており,アメリカ軍側の直線翼の戦闘機に対して高速性能が勝っていたのだった。
ノースアメリカン社は,開発中のFJフューリー艦上戦闘機の陸上型,XP-86を後退翼を装備した機体に改設計し,MIG-15に対抗できる戦闘機を作り上げた。このXP-86生産型は,アメリカ陸軍航空隊にP-86Aとして採用され,さらに陸軍航空隊が空軍になった際にF-86と改称,朝鮮戦争に投入した。
MIG-15は,性能では,F-86をやや上回っていたが,F-86の方は,装備や支援設備が充実しており,アメリカ空軍のパイロットの練度や戦術も共産軍側を上回っていたため,F-86のMIG-15に対するキルレシオは,10:1と圧倒的なものとなった。
この戦歴や高性能が評価されて,F-86は,この後,航空自衛隊や西ドイツ空軍,カナダ空軍など,多くの空軍で主力戦闘機として採用されることになる。
自衛隊の戦技研究班,ブルーインパルスの初代の機体であり,東京オリンピックでは,開会式場の上空に五色のスモークで五輪を描いたことでもよく知られている。

<キットについて>
1 最近のAIRFIXの新キットに多く見られるように梨地の表面に筋彫りがされています。プラスチックに厚みがあるところにはヒケが多く見られるので仕残しが無いようにパテで埋めて表面をならしておくとよいでしょう。
2 デカールは,銀塗装に派手なドラゴンのペイントが施されたものと迷彩のものの2種類です。ドラゴンのデカールは色がハデすぎるような感じがします。軽くウォッシングすればいいかもしれませんがそれにデカールが耐えられるかどうかが問題だ・・・
3 機体下面,主翼の付け根の部分に隙間ができます。(上の写真参照)ここは,パテのお世話になるでしょう。
4 キャノピーは可動するようになっています。でも,動かしている間に塗料がはげる可能性があるので閉位地で固定するのが無難だと思います。
5 AIRFIXのキットは,いつもながら機体の特徴をよくとらえていると思います。それに,説明書は,機首に入れるおもりの重さも明記してあって親切だし,お値段も国産キットよりもやや安価な¥1260とは!!
日本のメーカーさんもうかうかしていられませんよ!!