2017年12月06日

新キットいろいろ

年末を控えて新キットが続々とリリースされました。ありがたいような,苦しいような・・・。

それにしても,アオシマとエアフィックスが頑張っていますねぇ。

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アオシマ 1/32 プリウス おすすめ度 ☆☆☆★★
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アオシマの新シリーズ"楽プラ"は,1/32スケールであることと部品点数を減らすこととによって低価格と簡単に完成することを実現させました。実際,箱を開けて30分足らずのうちにここまで形にすることができます。車内は,わずか2パーツで構成,前輪のステアリングは,無可動,タイヤやシャーシなんぞほとんど真っ平らです。雑貨屋さんやおみやげ屋さんで売っているミニカーをキットにしたみたいな感じかな・・・。

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フロア,ダッシュボード,ドアトリム,座席が1パーツで構成されています。故に,座席直後に大穴が開いています。ただし,完成後,この大穴を見るのはかなり困難です。窓枠やグリルなどの細部の塗装は,シールで対応するということになっています(ガンプラみたい)。キットの箱には,「塗装不要」とありますが,モデラーなら塗装してしまいますよね。

ハセガワ 1/24 ホンダシビック RS (SB-1)おすすめ度 ☆☆☆☆☆
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初代シビックのスポーツモデルです。実車が現役の頃,モーターライズのキット(当時のメーカーは,現在,活動していません。)が出ていたような・・・。ガラスまわりの塗り分けがデカールで再現できるという配慮が嬉しい・・・。

あと,できれば,4ドアモデルも出してください。うちの奥さんが初めて買った車なので。

エデュアルド 1/72 スーパーマリン スピットファイア mk.IXe 2 プロフィパック おすすめ度 ☆☆☆☆☆
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放射状に配置されたクリアパーツを見るに,エデュアルドのオリジナルキットなのでしょう(エデュアルドのキットの中には,他社のキットに自社のパーツを組み合わせたものもあります。)。びっしりと入ったリベットの密度感は,1/48スケールのキット並みです。プロフィパック仕様は,エッチングパーツとキャノピー塗装用のマスキングシート付きでこの箱一つでパーツに関しては完結してしまうという便利なキットです。

エアフィックス 1/48 スーパーマリン ウォーラス おすすめ度 ☆☆☆☆☆
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同社のかなり古い1/72スケールキットとマッチボックス(現在は,ドイツレベル)のやはり古い1/72スケールキットしかなかったのに,ここにきていきなりの1/48スケールキットの登場!!キット自体も,写真を見ても分かる通り大人気ないほどの素晴らしい出来です。イギリス人なら,「うちのひいじいちゃんがパイロットやってて,撃墜された時にウォーラスに助けられたんだよね。」なんてこともあるかもしれませんね(日本人が,同じようなことを言うと,右翼みたいに見られるのは悲しいことです。)。

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張り線の貼り方を詳しく図解してくれています。これなら,楽勝・・・と言うのは錯覚でしょう。

エアフィックス 1/72 メッサーシュミット Me262 シュワルベ おすすめ度 ☆☆☆☆☆
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現時点でMe262の最新キットです。タミヤの1/48 F-14Aと同じようにウィンドシールドが綺麗に取り付けられるような部品構成になっています。

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ジェットエンジンの吸気口と排気口の表現がすごい!!

イギリス製やドイツ製のドイツ機のプラモには,ハーケンクロイツのデカールが入っていません(意地悪ではなく,法律で意匠を禁じられていたりします。)。ナチスに大迷惑食らったチェコのプラモにすら入っているのに・・・。F-1レーシングカーのタバコロゴや差別用語と同じく,無かったことにしようが抹殺しようが,あったものはあったもの,あるものはあるもの。別にナチスに共感しているわけではないですが,面倒でも,オプションのデカールやジャンクのデカールからハーケンクロイツを調達しようと思います。

「日の丸,はんたーい!!」なんて言っている人でも,零戦のキットに日の丸のデカールが1個も付いていなかったら,不満に思うでしょう?・・・あっ,はじめから零戦のキットなんか買わないか・・・。

エアフィックス 1/48 ノースアメリカン P-51D マスタング おすすめ度 ☆☆☆☆☆
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写真では伝わりにくいのですが,胴体下のインテイク・・・なんか,エロい・・・。飛行機のプラモを見てこんなことを感じたことは初めてです。マスタングってこんなにエロかったのか・・・他にもそんな部品がいっぱい・・・ノースアメリカンの技師たちは,一体何を考えとんじゃ・・・きっと五六式の気の迷いでしょう。それとも,エアフィックスが偉いのか?

このキットのウインドシールドも前述のMe262と同様に接着の時,汚れにくいように配慮がされています。

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組み立て説明図のおじさんとキットの部品のおじさんの顔が違います。酸素マスクの位置も・・・。眼鏡のおじさんは一体何者なのでしょうか。

アオシマ 1/700 戦艦大和 おすすめ度 ☆☆☆☆☆
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この箱絵、何処かで見たような記憶があります。おそらく,五六式がプラモを始める以前の記憶ではないかと思います。

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キット自体は,キャラクターモデル("蒼き鋼のアルペジオ"超戦艦ヤマト)をスケールキット仕様として部品の差し替えをしたものです。前後して他社からも何点か新キットが出ていますが,なんら劣ることのない好キットだと思います。お値段がお財布に優しいし,別売エッチングパーツも入手しやすいし,ちょっと部品を合わせてみたのですが,精度も高いし,箱を開けていたら組み立てたくなる衝動が治まらないので早々に封印しました。
posted by 五六式 at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | NEW KITS

2017年10月26日

BANDAI FIGURE-RISE BUST FUMINA HOSHINO おすすめ度 ☆☆☆☆★

インジェクションでアニメキャラなどの胸像のキットをリリースするというFIGURE-RISE BUSTシリーズ・・・もう,22作目ですか・・・。で,このフミナさんは,メディオで特価品として売られていて,不憫に思ったのでGETしました。

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バンダイさんの驚異の成型技術!!何と,塗装せずに瞳が表現できてしまうという・・・。昔,レジンキットの瞳をひいひい言いながら描いて,結局,似ていない!!と,絶望した同好の士たち(モデラーのこと)の涙は一体何だったのか・・・。

fumina
たった3パーツでこれです。現在の技術では,ほとんどスキルのない人でも,もれなくフミナさんの顔が再現できてしまうんだな・・・。

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いいニッパーと切れるカッターさえあれば,ちょちょいのちょいと完成してしまいます。服の紺色の部分の合わせは驚異的でさえあります。

・両手は,パーティングラインがやや気になるのと部品の合わせにごくわずかに隙間ができるので肌色の部分は合わせ目の処理をして塗装すると良いでしょう。

・正面から見るとこのように素晴らしい出来ですが,残念なことに,コストカットと可動のためか顎の裏に空洞がどかっと空いています。正面から見るぶんには,何の不都合もありませんが,頸を見ちゃおという人にとっては,辛いところでしょう。まぁ,税込で¥1000しなかったので贅沢を言ったらバチが当たるというものです。
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2017年08月08日

BANDAI RE/100 1/100 AMX-103 HAMMA-HAMMA おすすめ度 ☆☆☆☆★

バンダイさんのRE/100シリーズのキットの紹介は2年前のディジェ以来かぁ・・・まだ色を塗っていないしなぁ・・・遠い目・・・

"ガンダムZZ"本放送の時にリリースされた1/144スケールキット以来,約30年ぶりのインジェクションキットです。

HH

<実機について>

ネオ・ジオンが開発した一般兵にも使用可能な改良サイコミュを搭載した量産型MSの試作機。全身に配されたスラスターの総数は,36基に及び,同世代の機体のほとんどを上回る高い機動性を誇る。しかし、多数のスラスターの稼働にジェネレーター出力の大半を喰われてしまうため,外付けのシールドに独立したジェネレータを搭載して武装へのエネルギー供給を担当させている。シールドという敵の攻撃に常にさらされるものにジェネレータを搭載するのは如何なものかと思うが,通常のビームサーベルでは容易に切断できない重装甲にすることで問題を解決している(しないと思う。こんな重いものを片側だけに搭載すると,重量バランスが崩れて運動性に問題が出るはず。この問題の解決のためにさらにスラスターを増設すると,ジェネレーターの出力が足りなくなって,さらにジェネレーターを増設,すると重量が増大して・・・)。
武装は,このシールドに搭載されている3連メガ粒子砲と3連装ビーム砲搭載の有線誘導アーム,ビームサーベル等。

名前からして,地上最強の親父とその息子みたいで強そうだし,Zガンダムを圧倒するほどのハイスペックな機体なんだけれど・・・「これに乗って戦争して来い!!」って言われたら嫌だなぁ・・・。

HH

<キットについて>

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何も考えずにニッパーでひたすらパーツを切り離します。この時点で140個ぐらい切り離しました。1/144スケールのHGならほぼ完成できるくらいの部品の数です。

何も考えずにというのは嘘で、ちょっとは考えて切り離すパーツを選んでいます。シールドのパーツは,すぐ分かるし,ゲート処理すればさっさと組んでしまえます。

赤い部品も、部品点数が少ないし,目立つのでこれもさっさと切り離してゲート処理をしておきます。

HH
このキットでは,右手と左手,右足と左足は,ほぼ共通の部品なのでぱっぱか切り離せます。

説明図を見ながら,Aの15と32を・・・などと部品を探しながら切り離して,ゲート処理をして・・・というふうに作ると恐ろしく時間がかかってしまいます。

HH
組めるだけ部品を組んで,さらに部品を切り離します。この時に、「あぁ,この部品が無かったから組めなかったわぁ。」と思った部品を優先して処理します。この時点で切り離した部品は200個あまりです。

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組み立てが進むように意識して部品を取ったのでかなり形になってきました。腕と足の部品がほとんど左右共通なので楽々作業が進みます。肩のスラスターも,部品を間違って組むことがないように配慮されているので,部品番号を参照しないでもパズル感覚で組むことができます。この時点で,切り離した部品は,280個あまりです。スラスターノズルは,全部で36個ありました。これらのゲート跡をひたすら処理します・・・涙・・・。

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残りの部品も少なくなって完成に近くなってきました。部品の総点数は330個あまり・・・ここまで組むと自重で潰れてきました。足首と肩のあたりが弱いようです。

HH
本体が完成しました。クリアピンクの部品が2個組み込まれていませんが,一度組み込むと外すのが困難なので,塗装をしたい人は,最後の最後に組み込むようにしましょう。同じ理由でシールドのジオンの国章も,そっと載せているだけにしています。

これに,腕を有線誘導している時の状態を表現するためのオプションパーツとビームサーベルが付きます。シールドは,かなり重いので左手が上がらず,全体に左肩下がりになってしまいます。実機があったとしたら、重量バランスの調整にさぞ苦労することでしょう。

ゲート跡の白濁は,爪で強くこすると少しましにはなりますが,やはり目立ちます。模型誌の記事では,よく「ゲート跡は,マーカーでタッチアップしましょう。」なんて書いてありますが,全塗装しないといかんじゃろ?

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スカートの部分をとってゴロンと置くだけで何だかJOJO立ちっぽいポーズに・・・。旧1/144スケールのキットと比べるとプロポーションの良さが際立っています。

・部品点数は多いものの,組み立ては簡単なので,時間をかけるのを厭わなければかっこいい範馬範馬・・・もとい,ハンマ・ハンマが手に入ります。シールドは・・・外すか,なんらかの支えをしておくか,各自工夫が必要でしょう。

・★一つは,シールドを装備すると自立しにくいところと顎の先の形の解釈。あとはすごくいいと思います。でも,「これに乗って戦争して来い!!」って言われたら嫌だなぁ・・・。
posted by 五六式 at 20:31| Comment(0) | TrackBack(0) | NEW KITS

2017年07月10日

IBG MODELS PZL 23A KARAS おすすめ度 ☆☆☆☆★

以前,ウエストランド ライサンダーの絵葉書を買った時,不細工だけれど独特の味があるPZL 23A KARASの絵柄のものも併せて買ったご縁でプラモの方も探していました。IBG MODELSっていうのがどんなメーカーかさっぱし分からんかったのですが,いまどきの新製品なので大はずれはないだろうと思って通販で入手しました。箱を見ると,ワルシャワなんたらの記載があったので,本場ものなのでしょう・・・。

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<実機について>
ポーランドのPZL社で開発・生産された単発空冷エンジン装備の軽爆撃機。"KARAS(フナの意)"は,"カラス"というよりは"カラシュ"と発音するらしい。

エンジン出力が足りず,当時としてはやや旧式だったため,侵攻してきたドイツ軍に対して苦戦を強いられた。A型は,あまり実戦では使われず,エンジンを強化したB型が投入されることとなった。

B型は,速度性能が向上したが,そのため,飛行特性の素性の悪さが露呈,速度制限を課せられたまま運用された。当時,単発の軽爆撃機は,広く各国で開発・運用されたが,その後開発された戦闘機の性能の向上が目覚ましく,いずれも相対的に性能が低化し多大な損害を被ることになった。本機もその例外ではないが,圧倒的な力を持つドイツ空軍に対して健闘した。

PZL
・カウルフラップが無い・・・。エンジン出力が低いということ。

・Ju87や九九式艦上爆撃機,九九式襲撃機などと同様に固定式の主脚となっている。空気抵抗の増大よりも主脚の引き込み機構導入による重量の増大のデメリットを考慮したための方策だった。

PZL
・コクピット直後の謎の黒い棒。・・・ではなくて,コクピット直後の謎の黒い影。・・・ではなくて,コクピット直後の謎の溝。ここから,がばっと銃身が出てきて後方から来る敵機を射撃する。日本人だったら,絶対こういうことはしない(できない)。うまいこと引き込み機構を組み込んで綺麗にまとめるだろう。また,胴体の下のゴンドラには,爆撃手がいて爆撃をしていない時にはここからも後方から来る敵機を射撃する。このゴンドラも,空気抵抗の塊である。

・他の同級機が主脚にスパッツを履かせたり引き込み式にしたりして速度性能を向上させようとしているのに対していかにも旧式然とした感があるが,軽爆撃機である以上,制空権のないところでは多少速かろうが遅かろうが,どの機体もばたばた落とされたことには変わりがなかった。(イギリス空軍のフェアリー バトルは,液冷エンジンと引込み脚を装備し,PZL 23よりも70km/hも優速だったが,同じドイツ軍と戦って大損害を被った。)

<キットについて>

PZL
・いきなり,説明図の補足が入っています・・・汗・・・。組み立ての第一段階の絵が入っていなかったようです。"ERRATA"とは,"ERROR"のことなのでしょうね。

・塗装図が入っていますが,上面カーキ,下面ライトブルー程度でそれに,各メーカーの塗料の品番の表が載っているだけ,細かい色の指定はありません。古いエレールのキットや当時,ポーランド空軍機だったPZL11のキット(レベル製とか色々ある)の塗装指定を当たるしかないようです。ポーランドのミラージュホビー製1/48スケールキットにPZL 23やPZL 11がありますが,これらは,比較的新しいキットなので組み立て説明図にも詳しく塗装指定が載っているそうです。←ということは,もう1個キットを買えということ?

・上面のカーキ色は,グンゼの水性塗料の H81となっています。ラッカー系のC55もカーキ色ですが,H81より緑色が強く,ちょっと色味が違っているようです。一方,レベル1/72のPZL 11の色はオリーブドラブということですが,アメリカ陸軍機の茶色っぽいオリーブドラブでしょうか?本キットの箱絵を含む数点のイラストを見ると,カーキ色やオリーブドラブよりもむしろダークアースに近い茶色っぽい色のように感じます。まぁ,当時の実機を見た人なんてほとんどいないから俺色でいいんだと思います。

・垂直尾翼上端に貼るデカールは,"P.23(赤)"か"KARAS(黒)"かどちらかを選ぶようになっています。ネットで見つけた当時の写真では,"P.23"となっていました。また,そのすぐ下に貼るPZLの社章も赤と黒で選択になっていますが,自分が"P.23(赤)"を貼るのか"KARAS(黒)"を貼るのかに合わせて色を選択すると良いのでしょう。このPZLの社章,かっこいい(円の中にウィングマーク,円周上,三角形にP,Z,Lを配置)と思います。

・主翼下面の国籍マークは,白の部分を塗らずにライトブルーのままにした機体もあったようです。今となっては,このキットの塗装指定の機体がどちらかわからないようなので,好みでどちらの国籍マークにもできるように2種類のデカールを用意してありました。

PZL
パーツの表面は,いまやお約束の梨地に凹線です。

PZL
拡大してみると・・・かなり良い感じです。

PZL
・エッチングパーツがついています。主にコクピット内のディテール表現に使われていて,これだけでもかなりのお得感があります。

何やかや言っても,自分的には組むのが惜しいお宝キットではないかと思います・・・張り線がいらんし・・・。冷戦が終わって本当に良かったです。
posted by 五六式 at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | NEW KITS

2017年07月08日

TIGER MODEL NON(CUTE PLANE) F-4U-4 CORSAIR おすすめ度 ☆☆☆★★

1/72スケールや1/35スケールのAFVモデルをリリースしている香港の新興メーカーTIGER MODELのディフォルメされた飛行機のキット,F-4U-4コルセアを入手しました。

F-4U

<実機について>

第二次世界大戦と朝鮮戦争で主にアメリカ海軍及び,アメリカ海兵隊が使用した艦上戦闘機である。

開発と生産は,チャンス・ヴォート社が行い,(生産に関しては,グッドイヤー社,ブルースター社も参加している。)2000馬力級のエンジンで大直径プロペラを回す高速戦闘機として設計されている。プロペラと飛行甲板のクリアランスを取るためには,通常,主脚を長くしなければならないが,本機の場合,逆ガル翼にすることで主脚をさほど長くしないままでこの問題を解決している。

しかし,大出力エンジンと大直径プロペラの回転トルクは凄まじく,これを打ち消すために垂直尾翼をやや斜めに傾けて取り付けている。逆ガル翼の採用や重い機体など癖のあるデザインのため,飛行特性にも癖があり,パイロット達には同時期に開発されたグラマン社のF-6Fの方が好まれたようである。

大戦期には,F-6Fの方がよく使われたが,大戦後は,F-4Uの方が永く使われ,Mig15を撃墜したり,南米のサッカー戦争でF-51(P-51)との空中戦で勝利したりしている。

F-4U

<キットについて>

・ダークブルーと黒で成形されたスナップフィットのキットにデカールとシールが用意されており,組み立ててシールを貼るだけである程度の仕上がりが保証されている全年齢向けのキットです。部品の精度は良い方ですが,数カ所押し出しピンの跡が残っていて部品の取り付けの邪魔になるところがありました。もちろん,すっぱーと切ってやれば,即,解決です。

・説明書は,日本語,英語,中国語の順に記載されています。色の指定は,タミヤカラーで,機体色は,ロイヤルブルーが指定されています。色もデフォルメと解釈するならこれも"アリ"かもしれません。大多数のモデラーは,ネイビーブルーで塗っちゃうでしょうね。

・コクピット内や脚の収納部などの細かい塗装指定はありません。お手持ちの他のコルセアのキットの塗装指定を参照しましょう。

・デカールもシールもプロペラの先の黄色のマーキングやプロペラのメーカーのマーキング,計器盤やパイロット名など細かいところまで揃っています。主翼付け根の冷却口のスリットもデカールやシールで用意されていますが,これを使うかデイテールアップして立体的に再現するか悩むところです。

F-4U

・方向舵は,可動ですが,取り付けが緩いので固定した方が良いでしょう。

・主翼の折りたたみ機構も可動です。精度が良いので可動を生かしても良いでしょう。主翼の継ぎ目の断面をディテールアップしたくてたまらなくなる方は,頑張ってください。五六式は,そのような衝動が湧き上がってきたら,いさぎよく固定しようと思います。

・風防はウィンドシールドとキャノピーに別れており,それぞれ差し込み式で胴体に取り付けます。取り付けが,ちよっときつめなので,ピンの部分を慎重に削って調整する必要があります。取り付けピンの根っ子にあたる部分がウィンドシールドの内側に見えますがこれを削って内側を磨きたてるのはやりたくないなぁ・・・え!?ヒートプレスで自作!・・・くれぐれもご乱心召されませぬように・・・
posted by 五六式 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | NEW KITS

2017年02月26日

EDUARD 1/72 THE BOAT (SICORSKY S-43/JRS-1) おすすめ度 ☆☆☆★★

昨年,高松市で開催された四国エアモデラーズミーティングで完成品を見て以来,作ってみたかったSWORDの1/72 SICORSKY S-43/JRS-1がエデュアルド版で再販されました。

<実機について>

ウクライナ系アメリカ人イゴール・シコルスキーの手になる四発大型飛行艇S-42を小型化した双発飛行艇。本来は,15名の乗客を運ぶ民間機であったが,その性能の高さを買われてアメリカ海軍や海兵隊,空軍で使用された。ハワイに展開していた2機は,真珠湾攻撃の際に破壊されず,敵艦の捜索任務などに使われ続けた。

<キットについて>
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基本は,SWORDのキット。

写真は,プラスチックの部品の3枚のランナーのうちの1枚です。パネルラインは,細い筋彫りです。写真の中にちらりと見える細長い部品は,折れていたプロペラ。まぁ,これくらいの補修は簡単,簡単・・・涙・・・。

例によって接合部のダボなど位置決めのための凹凸はほとんどありません。押し出しピンの跡もにょきにょき生えています。どうも欧米のモデラー達は,敢えて手間ひまかけて,キットが少しずつ組み上がって行く過程を楽しんでいるようです。

艇体背面のバネルラインを再現するため,艇体の一部が別パーツとなっています,メーカー(SWORD)の良心なのか,それとも,意地なのか・・・。

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資料本と組み立て説明書。

カラーページありで塗装図や実機写真がたっぷり載っています。本キットで再現できるマーキングは,7種類。これらはアメリカ海軍の2機のもので,時代によって塗装が変遷して行く様子を再現したものです。

これらの表紙のイラストと箱絵に描かれている機体は同じイラストで,背景のみ差し替えてあります。

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付属するエッチングパーツやレジン製の部品など。

乗員と15名の乗客のための座席は,レジン製でやたらと精密に成型しています・・・大人げない・・・。

窓枠の塗装や車輪のホイールを塗り分けるためのマスキングシートもついています。塗装の難易度が下がるのだけれど,本体の組み立ての難易度は高いからなぁ・・・。

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四国エアモデラーズミーティングで見た完成品。

本来のSWORD製のキットのデカールは,上の写真のようにアメリカ海兵隊の機体を再現したもの。本キットには,アメリカ海軍の機体(艇体上面銀,下面黒のものと大戦中のブルーグレーやネイビーブルーの迷彩のもの)を再現するデカールが付属しています。

何やらめんどくさそうなキットですが,死ぬまでには完成させたいものです。
posted by 五六式 at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | NEW KITS

2017年01月04日

BANDAI HG 1/144 百里 おすすめ度 ☆☆☆☆★

部品の切り離しに失敗して部品請求しているうちに放置状態となってしまいました。そのあおりを受けて同時に購入した百錬もいまだ待機中です。

NEW KITとして扱うにはそろそろ難しくなってきましたが,まだ本放送中(鉄血のオルフェンズ)なので,まぁ,いいか・・・。

100ri

<実機について>

テイワズの下部組織,タービンズの女性パイロット,ラフタが登場する高機動型モビルスーツ。背中の巨大なバックパックは索敵センサーとブースター,および,武装ラックであり,高速戦闘時には,腕部も収納する。バックパックの質量が大きいため,重力下では,自立することすら難しく,地上戦には向いていない。

100ri

<キットについて>

安定のHGクオリティのキットです。この様なデザインゆえに,自立が難しいのでスタンドが付いています。

・ポリキャップが付いていますが,半分ぐらいしか使いません。関節部分の部品の樹脂は,柔らかく,ポリキャップの役目を一部,代行しています。ランナー枠Cの部品がそれで,細かい部位の可動や変形を可能にしています。このCの部品,ランナーとの接続部,ゲート周辺が僅かにヒケるようでゲート跡を平滑にするには,かなり削ってやらなければなりません。塗料も乗りにくいようなので手間がかかります。

・腕のE4の部品がはめにくいですが,本来は,他の部品と隙間無くはまるようになっています。強引にねじ込んだりせずに周りの部品がきちんと入っているかどうかチェックしたり,はめ込みの角度が適正かチェックしたりしてみて下さい。

・肘につけるシールド接続用のアダプターは,取付けにくいし,左右で別部品なので注意が必要です。

・手は,ライフルを持つための握り手のみです。平手とか,拳骨とかつけて欲しいです。

人型から外れているために組み立てが分かりにくかったり,難しかったりしますが,コレクションの中で異彩を放つよいキットだと思います。
posted by 五六式 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | NEW KITS

2016年11月19日

タミヤ 1/48 F-14A TOMCAT おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆

今年の飛行機プラモの最大の収穫は,本キットと12月発売予定のハセガワ1/72二式大艇と言い切っていいのではないでしょうか?(ボークスのF-4は,大都会に住んでいない人は,通販でしか入手できないからね。後,来年は,AIRFIXのVICTOR。)

タミヤ 1/48 F-14A TOMCATを(職場のある高松での)発売日に入手しました。

<実機について>

名機F-4ファントムIIの後継防空戦闘機としてアメリカ海軍が選定したのは,空軍との機種統合(TFX計画)を目指して開発されたGD/グラマン F-111Bであった(空軍向けは,GD/グラマンF-111A)。F-111Bは,着艦性能や航続性能を高めるため,VG翼を採用,武装として200kmを超える射程を誇るAIM-54 フェニックスミサイル(試験中ECM環境下での迎撃にも成功、6目標に対し6発を発射して4発命中)を装備し,アメリカ海軍の防空もこれで万全・・・というわけにはいかなかった・・・。F-111Bは,はじめから大きな機体だった上に改良の度に機体重量が増大していき,艦載機としては不適格とされて開発は中止されてしまったのだ。

F-111Bの開発中止を受けてグラマン社が新たに開発したのがF-14 TOMCATである。エンジンとVG翼,火器管制装置をF-111Bから受け継ぎ,防空戦闘機としてシェイプされた機体は,空母上での運用や格闘戦により適したものとなった。F-14Aに搭載されたTF-30ターボファン・エンジンは,F-111AやF-111Bに装備されたものと同じものであったが,出力が十分でなく,コンプレッサー・ストールをおこし易い(ぶっちゃけ,扱いが難しく,すぐエンジン停止する)という問題を抱えていたので,後に,TF-30自体の改良やF110エンジンへの換装(B型D型)が行われた。

F-14は,1973年にアメリカ海軍に正式採用され,ベトナム戦争の最末期上空支援に参加した後,中東やアフガニスタンでも作戦に参加,2006年に退役した。唯一,海外で採用されたのはイラン空軍であったが,その後,国交が断絶,退役したF-14のほとんどがイランへの部品供給を絶つためにスクラップにされた。なお,件のイラン空軍では,F-14同士からの部品の流用やホークミサイルを改良したものをフェニックス・ミサイルの代替品とするなどの努力により今なお主力戦闘機としての地位を保っている。

<キットについて>

本キットは,すでに複数のホビー誌によって紹介されていますのでいまさら五六式がどうこう言うこともないのですが・・・敢えて言おう,傑作であると!!

F-14

機首と胴体背面前後,4個の部品を切り離して繋いだだけでこの状態です。接着剤は一切使っておらず,手で一カ所握っただけですが継ぎ目が見当たりません。娘曰く,「さすが,タミヤ,日本製品!」

F-14

継ぎ目,分かります?

F-14

機体の内側の継ぎ手で接続をしっかりサポート。

F-14

胴体背面前後のつなぎ目は,段差がありますが,実機にもある段差です。気を利かして段差をなくすると他でつじつまが合わなくなります。この部分も裏側にはしっかり継ぎ手があって正しい接続をサポートしています。

仕上がりをきれいにするため,一部のゲートがアンダーゲートになっていますが,ここの処理がシビアです。削りすぎると部品の合わせ目が開いてしまいます。もともと精度が良くて部品がぴったり合うだけにゲート跡の削り過ぎは避けたいもの。誰じゃろ?簡単に組めると言ったのは?・・・とは言っても,接着してしまえば,多少の隙間は消えてしまうはずですから気楽に作業していった方がいいかもしれません。

<何でかな?>

それにしても,これほどのキットが実売7000円弱で買えるとは驚きです。

人件費が安いはずの中華メーカーや垢出身のキットが高騰を続けているのに!!

どこやらのホビー誌のマガジンキットを4冊分(総額で一万円超え)を買わなかったら1/72のF-14Dの部品が揃えられなかったのに!!

1/72イリューシン2のときも思ったのですが,タミヤが本気を出すとすごい!!怖いくらいです。

〇戦のときもそうだったけれど,もで◯ぐら◯○○くすがマガジンキットを出すと,タミヤさんがカウンターを打ってくるなぁ。ふぁいん・も◯◯どさん,だいじょうぶかなぁ。
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2016年11月05日

BANDAI 1/12 C-3PO おすすめ度☆☆☆☆★

先日,友人のA葉氏と電話で話していたら,「BANDAIの1/144ミレニアム・ファルコン号を組んでみたら,部品の合わせ方があまりにも巧みで感動してしまった。」という話になりました。BANDAIによるスターウォーズ関連のプラモの展開は,一般ユーザー(A葉氏は,本格的に模型を趣味にしているわけではありません。)にとってはよいことなのでしょうね。

で,今回のお題は,おしゃべりロボットC-3POです。

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<実機について>

スター・ウォーズの世界に存在する多数の種族間で互いの意思の疎通ができるように設計されたプロトコル(儀礼・通訳用)ドロイド。600万を越す宇宙言語や暗号,各種族の儀礼に精通しており,初対面のものにそれを自慢げに語る癖がある。非常におしゃべりでのべつまくなしにしゃべり続けているが,周りのものには聞き流されている。

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<キットについて>

・バンダイお得意の多色成形,全身可動スナップ・フィット・キットです。

・C-3POの金ピカのボディを表現するため,主要な部品はメッキ処理されており,ゲート処理のときにメッキが剥がれた部分が露出しないようにアンダー・ゲートになっている部品がたくさんあります。しかも,映画の新シリーズ仕様で右足のみが銀色になっています。

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・両腕は,可動重視のものと外観重視のものと2通りが用意されています。写真は,可動重視仕様。シリンダーの部品の色がメッキじゃないので少し悲しい・・・。

・腹部のごちゃごちゃしたコード類の部品は,用意されていますが,ややオーバースケールです。かといってこれをプラスチックの部品のまま細くするのは難しいでしょう。潔く素組みにするか,がんばってディテール・アップするか,当面は素組みで気が向いたら手を加えるか,悩ましいところではあります。
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2016年10月03日

アオシマ 1/144 新明和 US-2 お進め度 ☆☆☆☆☆

前回に続いてアオシマさんの飛行機のキットです。

海上自衛隊が装備する大型飛行艇US-2を組み立てて手許に置きたいと思っているモデラーはたくさんいるでしょうが・・・キットが無い!!・・・いや,あったんですけれどレジン・キットだったし・・・というわけで,今回のリリースは非常にありがたい!!これからも,この調子でP-1とか,C-2とかどんどん出していただきたいですね!!(かつてのマル◯ンやイ◯イみたいにならない程度に)

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塗装に支障がない程度に組んでいます。

<実機について>

大戦時の傑作飛行艇,川西二式大艇の流れを汲む新明和PS-1/US-1を改設計して大幅に性能を向上させた機体。PS-1/US-1譲りのSTOL性能と消波機構により波高3mの荒海への着水が可能な他,新規にキャビンを与圧式にし,加えてアビオニクスを大幅に近代化している。このことにより,救難飛行艇として世界第一級の性能を誇る。

us2

<キットについて>

・全面に筋彫りと適度なリベット打ちに加えて,どの部品もぴたりと付く精度の高いキットです。艇体の真ん中ほどの主脚収容部の裏側あたりに補強が入っていて,しっかり艇体が組み上がります。

・展示用スタンドと尻餅防止のためのおもりが付属しています。この展示用スタンドがなかなかのものでゲート跡が目立たないようになっており,機体に穴を開けないでもよいように継ぎ手になる部品も入っています。ちょっとスタンドのアームと継ぎ手の接続がゆるくなっているので調整が必要です。

・写真の状態では,まだおもりを入れていません。このままでは,機首を上げてひっくり返ってしまうので,バランスをとるために機体を前傾させいてます。ちょっと格好悪いけれど,今は,これが精一杯・・・。

・主脚収納のためのバルジの部品の精度が高く,胴体にぴったりとくっつきます。胴体の塗り分けラインがそこらにあるのでこれは本当にありがたい!!胴体背面の部品や主翼の接合部は,少し擦り合わせをして接着するとよいでしょう。

・離水時のフラップダウン状態を無改造で再現可能となっています。ここは,その状態で組み上げたいところですが,パイロットの部品が入っていません。ドローンでもあるまいに,ここは,どっからかパイロットをスカウトしてこなければなりません。これが,このキットの数少ない欠点かな?(旅客機の完成モデルによくあるようにスモークグレーなどで窓を塗りつぶすという手もありですね。)
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2016年09月22日

アオシマ 1/72 川崎 OH-1 NINJA お進め度 ☆☆☆☆☆

新キットの記事がこの5ヶ月間1個も上がっていませんでした。この間,な〜んにもキットを買っていなかったわけではなく,1/48シュペルなにやらとか,1/700三◯とか,1/144VFかんたらとか買っていたのですけれどガメラの方に精力を吸いとられてしまって・・・バルゴンも見つからんし・・・。

最近,涙もろくなったのか,"君の名は"を観て泣き,"魔法使いの嫁 5巻"を読んで泣き,本部のおっちゃんのかっこよさ(ピクルを助けた!!)に感激し,アオシマのUS-2とニンジャを見て泣く・・・。というぐらい今回のアオシマさんの新キットはうれしいものでした。何で,ヘリの◯ジミがキット化せんのや!!何でひこーきの◯セガワ(昔,UH-1で失敗してるし,ま,いいか・・・)がキット化せんのや!!何で◯ミヤはイタレリにキット化してもらってウォーバードにラインアップせんのや!!と思っていたのは五六式だけではないでしょう。

<実機について>

陸上自衛隊のOH-6観測ヘリコプターの後継機として1997年に正式採用,2000年に量産1号機が納入された。

攻撃ヘリに多く見られる直列複座の機体でコクピットの直後に複合センサーを装備,生存性を高めるために自衛用の対空ミサイルポッドを搭載する。テールローターは,アエロスパシアルガ特許を持っていた(現在は,特許の期限切れになっている。)フェネストロン方式で,更に,8枚のローターブレードは,風切り音を小さくさせるために不均等に配置されている。

その運動性は,宙返りや機首を上に向けての垂直上昇などのアクロバット飛行もこなせるほどに優れている。

ninja
箱に比べてキットは小さいです。もちろん,必要十分の部品数となっています。

ninja
塗装に差し障りがない程度に部品を接着した後,仮組みしてみました。

<キットについて>

初回特典でおまけ資料が入っています。

胴体部品を切り離すとき,垂直尾翼の先の衝突防止灯を切り飛ばさないようにしましょう。

胴体部品の張り合わせがタイトです。スナップフィットみたい。要調整です。

ミサイルポッドの合わせ目は,埋めてはいけないみたいです。

ローターハブやテールローターなど,繊細な部品が多いです。慎重に取り扱いましょう。

キャノピーのふくらみをスライド金型で再現してあります。

ninja
アオシマさんのBLOGにも書いてあったように,排気管の縁は,薄くなるように成形されていますが,更に薄くするとよいとのことです・・・納得・・・。リベットが細かく打ってありますが,これをいかしたままあちこち部品の継ぎ目を処理するのが大変そう・・・。

アオシマさんの飛行機キットといえば,青い◯嵐とか,◯雲とか,他のメーカーが出さないキットだけれど,完成度は???なものというイメージがありました。しかし,真大戦機シリーズが出てそのイメージは覆されました。(真大戦機シリーズは,再販される度によく売れているとのことです。)その真大戦機シリーズも大きく分けるとわずか3系統(Ta-152,紫電/紫電改,三/五式戦)。飛行機のキットの開発の経験が決して豊かとは言えないでしょう。そう考えると,今回リリースされたUS-2とOH-1の出来のよさに感動しないではいられません。
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2016年04月18日

BANDAI HGUC 1/144 AMX-004-3 QUBELEY Mk-II おすすめ度 ☆☆☆☆★

最新版の1/144スケールキットAMX-004-3 QUBELEY Mk-IIを入手しました。

amx ぎっしり部品がつまっている。

白い1号機の成形色替えのキットですが,BANDAIの通販限定で,一般の模型店では買えないという代物です。通販の告知があってすぐ完売していて五六式が入手したものは,二次出荷分でした。ま,量産型と違ってノーマルのキットを全塗装してやれば再現できる機体ですがね。

<実機について>

ジオン軍のサイコミュ搭載機動兵器エルメスを小型化するというコンセプトで開発されたネオ・ジオン軍のモビルスーツ。

肩に装備した4枚のバインダーは,それぞれスラスターを持ち,バインダー自体の運動によって複雑な機体の姿勢制御を行うことができる。また,リア・スカートに装備された10基のファンネルは,遠距離攻撃に,腕に装備されたビームガンを兼ねたビームサーベルは,近接戦闘に使用される。これらの機体制御および,火器管制は,全てサイコミュによって行い,適性のあるパイロットであれば,まさに手足のごとく操ることができる。

初号機は,白い機体のハマン・カーン専用機,黒い機体のエルピー・プル専用の2号機以降は,量産先行型のmk-2となり,赤い機体の3号機は,プル・ツー専用機となっている。

なお,これらのプロトタイプの後に量産された機体は,スペックダウンされたもので,低下した戦闘力を補うため,重武装化されている。

amx

<キットについて>

1/144スケールのキットとしては,2代目となります。(初代のキットもうちの倉庫にあります・・・しくしく・・・。)初代を超えるべく,組み立てやすさや塗装のしやすさ,見栄えなどを更に改善したものとなっています。でも,設定のイメージに近いのは,最初に出た1/220スケールのキットかもしれません。(かっこよくするために腿が長くなっています。)

巧みなパーツの構成により外装の塗り分けがほとんどいりません。とは言っても,完全にお任せというわけでなく,いつものホイルシールで細部の塗り分けのかわりとしています。

amx つるっつる!!

外装の部品が磨き上げられたようにつるつるです。最近のスケールキットに多い,パーツの表面が,金型の静電加工のままの梨地になっているものを見慣れた目には,新鮮に映りますね。グンゼの1/24スケールの車のキット(カルマンギアとか,ジュリエッタとか・・・)なんかがつるつるでした。

amx やってくれる!!

バインダーの裏側もぬかりなし,左右対称で2セットスクラッチするなんて考えたくもないですね。こういうところが工業製品の優位性かと思います。

amx

180個くらいある部品のうち,とりあえず,72個の部品を切り取ってゲートの処理をしました。外装パーツは,(バイクで言うと,カウルですね。)どうしてもゲートの跡が残ります。アンダーゲートにする技術があるのにどうしてそうしないのかさっぱり分かりません。磨き上げるか,クリアーを吹き付けるか,全塗装するか,いずれにしてもペーパーがけは必須です。

amx

左右対称になっている部品が比較的少ないので,半日もあれば,すぐに形になります。ファンネルさえなければ楽勝です。このファンネル,10個もあって,小さい部品なのにゲート跡を3カ所ずつ処理しなければなりません。AFVモデルのキャタピラや転輪よりはましかな・・・。

amx

・ジオンの国章がホイルシールなのは悲しい。どんなに外装を丁寧に仕上げてもアウトです。どこかにデカールがなかったかな・・・。

・スカートの装甲の中は,空っぽです。張り切ってメカとかフレームとかを詰め込みすぎると腿が入らなくなるのでいじりたい人はほどほどに。

・指先は,安全基準を満たすためか,丸まっています。尖らせたいけれど,10本の指先の形を全てそろえて尖らせるのは難しいだろうなぁ・・・。

・色プラで塗装しなくてもほぼ設定と同じ配色の完成品が手に入るというルールに縛られなければ,(デカールを使う,少しは自分で塗装するということにする。つまり,一般のスケールキットのやり方に歩み寄る。)もっと部品点数が減って,多少塗装は面倒だけれど組み立てやすくなり,トータルとして製作時間が短縮できるキットが作れるのではないかと思います。ジオンの国章のホイルシールを見て,ふと,そう思ってしまいました。BANDAIさん,どこまで行っちゃうのかなぁ?



AIRFIXの1/144スケールのガンダムなんてものがあったらどんなキットになるのかな?
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2016年02月29日

BANDAI HG 1/144 MW-01 お進め度 ☆☆☆☆☆

ハセガワさんから1/35スケールで日立建機 双腕仕様機 アスタコNEOがリリースされ,話題になっていますが,BANDAIさんからも建機が・・・

mw 異形・・・。

<実機について>

"機動戦士ガンダム the ORIGIN"に登場するモビルスーツの極初期の原型機という位置づけの機体。名目上は,建設機械として,内実は,新型の戦闘兵器として開発が進められ,ランバ・ラルや黒い3連星のマッシュなどの将兵がテスト・パイロットとして開発に加わった。動力源である核融合炉は,胴体内に収まり切らず,背部にむき出しのまま搭載されている・・・って・・・オイ!!

mw 背中のでかいのが核融合炉。

<キットについて>

・青い機体は,ランバ・ラル機で通販限定だそうです。通常版は,オレンジ色の黒い3連星のマッシュの機体です。

・ほとんどの部品は,ストレスなく吸い込まれるようにフィットします。パーツ割りも工夫されていて挟み込みになっている部分も部品の継ぎ目が気にならないようになっているのでバラバラの状態で塗装し,その後に組み上げることも可能となっています。

・動力パイプは,ゴム製で実感がありますが,ゴムは,プラスチックを溶かすことがあるのでこの部分は,他のものに置き換えると良いかもしれません。この部品は,一旦ねじ込むとはずれなくなってしまうので現時点では取り付けていません。

mw 悪そう・・・。本当は,肩からパイプが出ています。

・胴体全面の建機っぽいところ(ウィンチやライトなど)は,塗装に力を入れたりディテールアップしたりすると楽しいと思います。

・別売りのHG 1/144 プロトタイプグフ(戦術実証機 ブルーカラーVer.)の手首を取り付けることもできます。
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2016年02月15日

BANDAI HG 1/144 流星号(GRAZE CUSTOM II) おすすめ度 ☆☆☆☆☆

娘がi-phonのケースを買うのに付き合って家族みんなで倉敷市のエディオンまで行きました。

倉敷市のエディオンには,おもちゃ売り場もあって・・・やってしまいました。"すーぱーふみな"を買うという選択肢もあったのですが,今回は,"りゅーせいごー"をレジに・・・。

"りゅーせいごー"・・・私らの世代には,懐かしい響きです。・・・歳がばれる・・・。

<実機について>

鉄花団が火星で鹵獲したギャラルホルンのMSグレイズに改修を重ねて作り出したカスタム機で,姿勢制御ための装備をテイワズの百錬のものに換装し,新たに阿頼耶識システムを搭載している。また,パイロットのノルバ・シノの意向により,装甲を緑から赤に塗り替え,頭部に目や牙をペイントしている。

ryusei


<キットについて>

BANDAIさんの最新キットであるからには"はずれ"であるわけがありません。

形にするだけならば,半日もかかりません。

ryusei 70個ほど部品を切り離して

ゲート跡を処理しました。闇雲に切り離して行くと,わけが分からなくなるのでどこの部品か分かるものや左右で共用されている部品を中心に切り離しています。1つパーツを外して・・・ゲート跡の処理をし,また,それに合わせるパーツを切り離して・・・なんてやっていると遅々として組み立てが進みません。

ryusei 組める部品を組んでみました。

見た目,何も進んでいないように見えます。とほほ・・・。

ryusei 更に30個ほど部品を切り取って

ゲート処理をします。組み立てが進むように意識して必要な部品を切り取っています。

ryusei 大分,組み立てが進みました。

右足が形になっています,足や腕は,左右対称なので左右の区別があります。組み立て説明図をよく読んで部品ナンバーを確認しながら組まないと左足が2本・・・なんてことにもなりかねません。本キットでは,左右共用の部品(同一ナンバーで2個部品があるのですぐ分かります)が多くてホントに助かります。

ryusei 全部の部品が切り離されました。

ポリキャップも入れると,120個あまりです。

腿の装甲などは,左右の区別があるので部品の裏側の組み立て後見えないところにカッターの先で(R)とか,(L)とか記号を刻んでおくと良いでしょう。

ryusei 目のペイントのシールは,

この段階で貼ってしまうと塗装のときに困ります。もう1セットシールがあるとか,塗装する人のためにデカールをつけるとかしてくれると大変助かります。

ryusei

ryusei バックからの立ち姿がいいですね!!

まるでサ◯ビーみたいです。

では,また!!
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2016年01月08日

EDUARD 1/144 AVIA B-534 EARLY TYPE おすすめ度 ☆☆☆☆★

チェコのエデュアルド社からチェコスロバキア製戦闘機アヴィアB-534のキットがリリースされました。

b534 箱の中に部品がぎっしり
エッチングパーツは,別売り。

<実機にいて>

チェコスロバキアのアヴィア社(スコダ(=シュコダ)社の子会社)が開発した複葉戦闘機B-34の発達型。初飛行は,1933年。B-134,B-234,B-334、B-444とエンジン換装などの改良を経てB-534が開発,生産され,チェコスロバキア空軍主力戦闘機として採用された。本機は,複葉機としては,高性能だったが,時代は,単葉戦闘機の実用化へと移行し,加えてチェコスロバキアのドイツへの併合もあって活躍の機会はほとんどなかった。

その後,アヴィア社は,メッサーシュミットMe109をS-99として,Me262をS-92として生産している。

b534 胴体の部品が型ごとに微妙に違っている。

<キットについて>

歴史の上では大活躍できなかった本機ですが,エデュアルド製の本キットは,なかなかの名作です。1/144とは思えないほどのモールドと部品精度,しかも,複葉機ながら,B-534がかっこいい,そして,何より,メーカーの飛行機への愛が感じられます。もし,模型の神様がいるとしたら,神様が遣わした天使のようなキットではないかと思わせるぐらいです。

で,どうして☆4つなのかというと,エッチングパーツを同時に4セット入手(しなくてもいいけれど)しなくてはならなくなるからです。

b534 部品精度が素晴らしい!!

<注意点>

・キットは,4機セットですが,通常の部品のランナーの枠は4つで4機分,透明の部品のランナーの枠は3つで「あれ?」と思ったのですが,この3つの枠で風防が15機分とれます。そのうち,6機分は,後期型のものなので使えず,残りの9機分の風防をやりくりすることになりますが,実際は,4機分の風防があればいいので困ることはありません。

・それぞれのセットでどの型でも自由に作れるかというと,そういうことはなく,初期型の4つの型が1つずつ作れるようになっており,デカールは,6種ついていますが,説明書にある1つ目と2つ目の型に1種ずつ,3つ目と4つ目の型に2種ずつが対応しています。

・これらを踏まえた上で制作と塗装を進めて行かないと,「デカールが足りない!」「え?このタイプは2つ作れないの?」と慌てることになります。また,後期型のためのパーツもあるので注意が必要です。

・こんな小さいキットなのに風防とタイヤの塗装のためにマスキングシートがついています。

・別売りエッチングパーツは,1セットで1機分でした。あわてて,通販サイトに注文を入れました。手に入るじゃろか?どきどき・・・。4機分のエッチングパーツを買うと,それだけでキット代より高価になります。ただし,各種計器盤や操縦席周りの部品(きっと,完成後は見えない。きっと,ミクロマンでも覗くのは無理。),張り線をカバーしているので,使いこなせれば大変な作品をものにすることができます。また,キットの方には,このエッチングパーツの張り線のための穴の位置が分かるようにポイントが打ってあります。

・塗装指定は,GSIクレオスのカラー番号で指定してあります。すごいよ,GSIクレオス!!
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2016年01月07日

BANDAI HG GUNDAM the ORIGIN 1/144 MS-06R-1A ZAK II おすすめ度 ☆☆☆☆★

機動戦士ガンダム・ジ・オリジン版の黒い3連星専用高機動ザクIIのキットです。

もとになっているのは,同,シャア専用ザクIIのキットで,高機動型にするためのパーツと専用武器のパーツが追加となっています。

06r 悪そう・・・。

お小遣いに優しくないので3機で小隊を組むのはやめて欲しい・・・。

<実機について>

MS-06FZAK IIをもとに地上用装備を廃し,バックパックや脚部に大出力推進機を増設,推進剤搭載量も増加させ,空間機動力を向上させた機体。通常のZAK IIをはるかに凌ぐ機動性能を有し,次世代空間戦闘用MSとして先行開発機が少数生産されたが,生産性が低く,加えてビーム兵器の運用ができなかったことなどから量産は見送られた。

06r 庇の先が尖り気味な造形。

<これまで>

これまで,1/144スケールだけでも,MSV,HGとキット化されて来た本機ですが,最後発だけあってその完成度はなかなかのものです。でも,五六式は,MSV版の箱絵と無骨なスタイリングが結構好きなんですね。最新キットは,いいんだけれど,ちょっと神経質なスタイルをしているように感じられます。

06r バックパック

<キットについて>

今までのキットに較べてディテールの表現が細かく,可動範囲が広く取られ,塗装もし易いよう設計されています。スナップフィットの技術も成熟していて素直に部品がはまり,素直に分解でき,組み立てたあとは,部品と部品の隙間もほとんど見えません。マーキングは,シールと水転写デカールのうち,どちらかを選択できます。もちろん,部分ごとに好きな方を使用するのも自由です。

06r 脚部バーニア

<組み立ての注意点>

・ランナーから切り取った跡の白化はどうやっても防げません。ガンダムマーカーなどでタッチアップするか,全塗装するか,そんなもの見なかったことにするか,いずれかの方法をとりましょう。

・バックパックについている推力偏向用のフィンの段差(3つ目の写真)は,デイテール表現としてついている段差です。間違って削ってしまわないようにしましょう。

・バックパックのノズルの取付けがゆるゆるです。ポリ製の取り付け部品の軸の径を瞬間接着剤で気持ち大きくしてやるとよいでしょう。

・脚部バーニアの付け根のカバーは,5種類あって部品番号も違っていますが,気にせずにパチパチランナーから切り離してもOKです。本体との合わせが分かり易くなっているので部品ナンバーが分からなくても現場合わせでどの部品もあるべきところに収まります。

・足の甲の部品は,同じものの色違いが2セット入っています。使用するのは黒い方です。とは言っても,別に自分設定で白くてもいいし,塗装するなら,黒でも白でも関係はないのですけれどね。

・脚部バーニアに付く二連のパイプの取付けがやや難しくなっています。パイプを差し込む角度が適正なら,あっけなくはまるので,力ずくで押し込もうとせず,部品を差し込む角度をいろいろ変えてみてください。

・腕のフレームの組み方は,説明図を見て慎重に。適当に組むと左腕が2個できた,なんてことになる可能性があります。

・ガイア機だけ,左肩のスパイクアーマーがなく,両肩にシールドを装備しています。しかし,スパイクアーマーの部品も入っているのでそちらを使うのもありです。
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2016年01月06日

ハセガワ 1/24 LANCIA RALLY 037 おすすめ度 ☆☆☆☆★

ばりばりのニューキットではありませんが,久々にランチア・ラリー037が再販されたのでこれをチャンスと入手しました。しかしまぁ,ストラトスといい,デルタといい,ランチアのラリーカーは,かっこいいですね。

037

<実車について>

ランチア・ベータをベースとするWRCグループBに適合するラリーカー。1998〜2111cc+スーパーチャージャーのエンジンは,ミッドシップに配置され,リアドライブ方式で駆動される。

FIA 世界ラリー選手権 には,1982年から1985年まで出走,他社のラリーカーが4WDになって行く中,苦戦を強いられることになり,1985年の途中からは,デルタS4と交代することとなった。

037

<キットについて>

ランチアのラリーカーは,ストラトス,037,デルタと3代にわたってハセガワの1/24スケールキットで揃えることができます。037の発売は,いつだったっけ・・・2001年に作例の記事が出ていたようなので,それ以前のリリースのようです。

今回入手したのは,マルティーニ・カラーの1984年,ツール・ド・コルス・ラリー優勝車のもの。ま,王道ですね。(スポンサーのマルティーニ・エ・ロッシは,イタリアの酒造メーカーです。)

037

気になったのは,ボディをシャーシに接続するときにシャーシから突き出た4本の棒をボディ下部の穴に貫通させるようになっているところ(写真中)。そんな,バナナ・・・もとい,馬鹿な,と思っていたのですが,実車でもそのような出っ張りがあるようです。走行中にボディを損傷しても,ぱかっと外して新しいのをかぶせ,スナップでとめるだけで修理が完了するようになっているのでしょうか?そこのところは,ハセガワさんを信頼すると言う方向で・・・。

ラジエターの前のグリルとボンネット上部のグリル,バックのグリルはどうしよう・・・。実車を前方から撮った写真を見ると,しっかりグリルの向こう側が透けて見えているんですよね。これは,エッチングパーツを買いなさいというご神託とも解釈できます。初出の頃は,あちこちからエッチングパーツが出ていたようなのですが,はたして,今回の再販に合わせてエッチングパーツを供給してくれるところがあるのでしょうか?・・・(いいえ,ないでしょう・・・涙・・・。)。

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2015年11月16日

AIRFIX 1/72 SUPERMARINE SWIFT F.R,Mk5 おすすめ度☆☆☆☆☆

出る,出るって半年程待った挙げ句,ついにAIRFIXのスーパーマリン・スイフトが出ました!!

当BLOGのMOVIESの記事からROYAL AIR FORCEのSPITFIREつながりですね。

<実機について>

swiftちょっと形にしてみました。

レジナルド・ミッチェル技師が設計し,シュナイダー・トロフィー・レースに優勝を飾った水上機Sシリーズの血を受け継ぎ,英国を救った戦闘機スピットファイアで有名なスーパーマリン社は,その後継機として機体を改設計し,層流翼を装備したスパイトフルを開発する。スパイトフルは,レシプロ動力の機体としては究極に近い性能を発揮したが,ジェット機が台頭する第二次大戦後の主力戦闘機としては力不足で,とうとうスパイトフルは,量産されることが無かった。このスパイトフルの主翼を流用したジェット戦闘機がアタッカーで,これも,尾輪式降着装置を採用した時代遅れの機体であり,早々にホーカー・シーホークと交代させられてしまった。

そして,スーパーマリン社がその次に開発したのが英国初の後退翼を装備した高速戦闘機,スイフトである。スイフトは,短期間,当時の速度記録 (1187 km/h) を保有していた程の高速機であったが,いかんせん,操縦性が悪く,空戦には向かない機体であった。ただ,低空でのダッシュは,当時の他の戦闘機を凌いでいたのでなんとか偵察機として少数(94)機が製造されることとなった・・・偵察機って94機も必要なものなの?・・・。

その後,スーパーマリン社は,多用途艦上戦闘機シミター(スイフトよりわずかに遅い。スタイルは結構いいんだけれどね。そのうちAIRFIXからキット化されるだろう。)を開発,これも少数機がブラックバーン(ホーカー・シドレー)バッカニアのための給油機として使われるにとどまり,その後スーパーマリン社は親会社のヴィッカース社(イギリスの兵器製造の大手。大砲とか爆撃機とか軍艦とかを作っている。現在の英国陸軍主力戦車チャレンジャー2の主契約企業の一つ。旧日本海軍の戦艦,金剛もヴィッカース社が建造。後,機関車なんかも作っている。)に吸収・併合された。奢れるもの久しからず。諸行無常。

<キットについて>

すごーく昔に出たホーク社のキットとか,高価だけれど何だかなぁなエクストラキット社のキットとかスズキのスイフトとかがあったけれど,近代的なキットとしては,AIRFIX社の製品があるのみです。すなわち,決定版と言えるでしょう。AIRFIX社のサイトの完成見本の写真がこれまた,すご〜くかっこいいです。

swift空気取り入れ口の部品の構成がちょっと複雑です。

空気取り入れ口と操縦室の開口部が近いので気をつけないとパキッと折ってしまいそうです。

空気取り入れ口の内部の塗り分け方がよく分かりません。ある程度中に入ったら白っぽい色になるようですが・・・

座席は,立体感を出すためと塗装を容易にするために3つの部品で構成されています。

swiftこの角度から見るとかっこいいかも・・・。

各動翼は作動状態で組むことができます。写真と違って,水平尾翼に上反角をつけて取り付けます。

少数機が短期間採用されただけの機体なので胴体の国籍マーク周りの部隊章と機体下面の塗装色の違いくらいしか塗装のバリエーションがありません。・・・でも,2個買ってしまいました。

新製品が出る度にどこかが改良されているAIRFIX社のキット。今後の展開も楽しみです。(シミター,出るかなぁ)
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2015年08月27日

TARANGUS 1/72 SAAB J-29A/B TUNNAN おすすめ度 ☆☆☆★★

ダブルデルタ翼のJ-35,カナードとデルタ翼配置のJ-37とユニークな戦闘機を独自開発して来たスウェーデンが1950年代に開発し,実用化したSAAB J-29 TUNNANのキットが地元スウェーデンのTARANGUS からリリースされました。

J-29

<実機について>

スウェーデンは,J-21戦闘機の胴体を改設計してDB605レシプロエンジンをDHゴブリンターボジェットエンジンに換装し,ジェット戦闘機の開発をスタートした。しかし,このJ-21Rの機体は,基本的にレシプロエンジンを装備するためのものであったため,その性能は,ジェット戦闘機としては,不十分なものであった。

続いて開発されたJ-29は,遠心式圧縮式のDHゴーストエンジンを搭載するため,ずんぐりとした機体であった(TUNNAN=樽)が,同世代のF-86やMIG-15などと同じく後退翼を取り入れた機体で,同世代のジェット戦闘機としては,優れた性能を備えていた。

1961年,国連軍の要請でコンゴ動乱に11機が派遣され,地上攻撃や偵察の任務に従事した。J-29は,優秀な機体であり,スウェーデン空軍のパイロットの練度も高かったが,コンゴ動乱での戦闘は激しく,7機が損耗,本国に帰還できた機体は,4機だけであった。

<キットについて>

キットは,チャック付きの袋に入っていて,胴体などの部品の合わせのためのダボとその受けが無く,一部のパーツは,レジン製のものとなっているというヨーロッパの歴史の浅いプラモメーカーによく見られる構成のキットです。TARANGUSは,どう読むのでしょうか?英語的に読むと,「タランガス」スウェーデン語は,ドイツ語っぽいので「タラングス」・・・どっちでしょうかね。

J-29
以前,購入したTARANGUSの1/48のJ-32やJ-37の説明図とはちょっと違っているような・・・でも,チェコのSWORDの説明図(左)とはよく似ているような気がします。

J-29
細かい所は,レジンのパーツでカバー。逃げの姿勢・・・?

レジンのパーツは,瞬間接着剤で取り付けるのですが,この主脚収容部の取付け位置があやふやになっています,きっちり組み込まないと主脚も歪む,ということで,駐機状態の見栄えはこの部品の取り付けの精度次第ということになります。

J-29
主翼の後端にある出っ張りのモールド,主翼上面のパーツについているのですが,主翼下面のパーツには,その位置に切り欠きがあってあって,その間からひょっこり出っ張りが顔を出すようになっています。こういう所は,よっぽど精度が高い成型が必要ですがそうはなっていないんだなぁ・・・。

他に古いキットで,エレール版もあります。
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2015年07月19日

BANDAI RE/100 1/100 MSK-008 DIJEH おすすめ度 ☆☆☆☆★

進化の果てに複雑で高価なキット群になってしまったMGシリーズとは別に,比較的簡素なパーツ構成で今までキット化されなかったMSを1/100スケールでリリースするというRE/100(REBORN-ONE HUNDRED)シリーズの第3弾のキットです。

dj

<実機について>

1年戦争後,ジオン残党の掃討を目的に設立された地球連邦軍の精鋭特殊部隊TITANSは,結果として宇宙コロニーに住む人達を弾圧する急進的な組織となって行った。それに対抗する反地球連邦組織がAEUGとKarabaである。AEUGが主に宇宙空間を主戦場にしたのに対し,Karabaは,地球上で活動を行っている。寄り合い所帯的なKarabaは,資金や機材の点でTITANSやAEUGに劣り,使用しているMSもRGM-179 GIM II などの旧式なものばかりであった。

そのKarabaがAEUGのMSであるRMS-099 RICK-DIASを基礎として地上戦に特化させた機体がMSK-008 DIJEHである。本機は,巨大な放熱板やジェット推進機関を装備し,大気圏中の戦闘能力を高めているが,一方,携帯する火器については,RMS-099 RICK-DIASやMSN-100百式等と共通のもので,特に強力であるとは言えない。また,機体のテストのため,1年戦争の英雄アムロ・レイ大尉の乗機として使用されたことがある。

背中の放熱板については諸説ある。

1 そもそもそんな大きな放熱板を晒していたら熱源探知ミサイルに当たり放題ではないのか??

2 ディジェに必要なら,他の高出力の機体にだって必要だろう?

3 実は,AMBACとして動作する。←可動範囲が狭いが?

4 緊急時には,巨大なブーメランとして使用することも可能である。←核動力の機体の放熱板を取り外してぶん投げるって!!??実は,自爆スィッチなのか?

5 骨組にセンサー・アレイを装備している。←廃熱でセンサーに悪影響はないのか?

6 実は,中にガイガンが入っている。←鰭の数が足りませんョ?

dj

リックディアスの改良型と言うけれども,胸の辺りは,ガンダムだし,顔は,ゲルググ,右肩は,ドムだし・・・ベクタード・スラスターの有効性も???だし・・・。本当に中身は,リックディアス・・・なのか・・・?

娘:親父,何か,あちこちから寄せ集めてきたみたいなものを作ってるね。
五:その通り・・・。でも,アムロが乗っていたんだョ。
娘:嘘じゃろ?
五:映画版では,リックディアスに差し替えられてました・・・涙・・・。

dj

<キットについて>

ポリキャップは,写真の3種類だけ・・・(ほぼ実物大)。後は,プラスチックの部品と組み合わせて関節などを作って行きます。塗料が乗らないポリキャップをあまり露出させないこの試みは,なかなかよいと思います。

このポリキャップ,差し込む方向が決まっているものがあるので注意が必要です。組み合わせる部品によっては,もう一度外すのが困難な場合があり,失敗するとやり直しに手間と時間を食われます。ここは,一つ謙虚に,説明書を丁寧に見てから工作に取り組みましょう。

昔は,MGも安くて簡単に完成できた・・・遠い目・・・。岡山市内にあった某模型店で発売日の次の日に塗装済み完成済みのゲルググが飾ってあったのには驚きました・・・遠い目・・・ズゴッグあたりからおかしくなって来たんだよね・・・。

このキットは,現在のMGよりは簡単に組み立てられますが,初期のMGよりは時間を食いました。部品の精度が上がっているので組立てのストレスはあまりありません。MGの初代のゲルググの膝の裏がぴったり合わず,泣いたあなた,今回は,そのようなことはありません。

頭部は何気に大きすぎるのではないかと思いますが,変にいじって小さくするとか,エポパテで新規造形とかしない方がいいと思います。欲を言えば,後少し小さい方が好みですが,逆に小さ過ぎるとそれはそれで不細工になってしまいます。もともとディジェは,こういうデザインだと自分自身に言い聞かせましょう。

・・・あなたは,だんだん眠くなる・・・そして,ディジェの頭は大きい方がかっこいいと思うようになる・・・これから3つ数えるとこの指示のことは忘れるけれど,ディジェはかっこいいという気持ちは変わらない・・・では,1,2・・・。



dj

ベクタード・スラスターは,部品1個で一発成型。

部品の精度がよいので塗装するのなら,塗料の厚みを考慮しなければなりません。はめ込む部分で見えない所には塗料をなるべく塗らないようにするとよいでしょう。

本キットには,アンダーゲートでランナーにつながっている部品がたくさんあります。ゲートの部分を削りすぎると隙間ができるし,ゲートの部分を上手く削らないと,ゲート跡が干渉して部品がぴたりとつかなくなります。よく切れるカッターやデザインナイフで慎重に少しずつ削って行くことをおすすめします。

dj

携行火器の部品精度や成型色が大変よいです。ちょっと感動しました。これは,かなり力が入っていると見ました。
posted by 五六式 at 07:12| Comment(0) | TrackBack(0) | NEW KITS